2025.07.19
観光文化学科

【授業紹介】観光文化実践Ⅵ~「江戸名所図会」の名所を巡る?その②~

-観光文化実践-
本学科の特徴でユニークな授業「観光文化実践」。学生が観光地や観光事業者を自ら訪ね、自分の目で確かめることで、教室での理論の学びを深めています。各教員がオリジナルの授業計画を立てていますが、今回は「観光文化実践Ⅵ?その②」を紹介します。

江戸時代の出版された「江戸名所図会」を題材に、目白キャンパス周辺の名所をまわるフィールドワークの第3回目、今回は雑司が谷の鬼子母神とその周辺を訪ねました。

事前に江戸名所図会に描かれた風景をよく観察してから現地に到着。参道が直角に左に曲がって本殿が現れる様子は絵に描かれたとおりです。
また、境内にあった鳥居は現在「お百度石」に転用されているらしいこと、天然記念物になっている大イチョウよりも、なぜか松の木の方が立派に描かれていることなど、気づいたことを指摘しました。そして一旦鬼子母神の境内を出て、図会では右上に描かれた高台にある「威光山 法明寺」の門前に向かいました。歩いている途中にも、鬼子母神は目白台地の北側を刻む谷地、「弦巻川」に向けて降りていく斜面に位置していること、そこからまた次の台地に登る「ヘリ」に法明寺の山門があり、図会では高台が誇張されているものの台地と谷地、鬼子母神と法名寺の位置関係はかなり正確であることもわかりました。最後、もう一度鬼子母神に戻り、参詣みやげとして有名な郷土玩具「すすきみみずく」を購入。現在国内の様々な神社や寺院では、お守りなど伝統的な授与品以外にも、かわいいキャラクターや、デフォルメを施したデザインのものを制作している例が多くあります。中には、有名キャラクターやアニメ作品とコラボしている場合も見受けられ、ファンの人達に注目されています。

この後の授業ではそれらの意味を調べつつ、すすきみみずくのかわいさに注目して、郷土玩具の今日的な意味をディスカッションしていく予定です。(担当:山下 琢巳)
(図会のコピーは市古夏生?鈴木健一校訂『新訂江戸名所図会4』ちくま学術文庫より)